・Accidents (競争中止)
障害競馬において落馬などのアクシデントはつきものですが、その種類によって記載を変えることが通常です。ここではイギリス・アイルランドの表記を中心に列挙します。1~3は比較的頻繁に起きるもの、4以降はどちらかというとマイナーです。
1) Pull Up (PU) = 途中棄権
いわゆる途中棄権です。馬の故障のほか、先頭から大きく離され勝機がなくなった場合、馬が著しく疲労した場合、騎手がアブミを落としてリカバリーが出来なかった場合など、様々な場面で生じます。諸外国の障害競馬では日本障害競馬と異なり、勝機がなくなったことによる途中棄権は非常に多く発生します。むしろ著しく疲労した馬を競争続行させることは動物福祉上問題視されます。
2) Unseated Rider (UR) = 落馬競争中止
飛越時に騎手が落馬して競争中止した場合を指します。ニュージーランドではLost Rider ( = LR)と言われます。
3) Fall (F) = 落馬競争中止
飛越時に転倒し競争中止した場合を指します。
4) Refused to Race (RR) = 発馬拒否
バリアスタートのためにしばしば発生するスタート地点での発馬拒否のことです。これをやらかす馬はリピーターが多く、アイルランドのLabaikやイギリスのMad Mooseなどが有名どころ。
5) Brought Down (BD)
他の落馬した馬に躓いて騎手が落馬した場合を指します。
6) Slipped Up (SU)
コーナーで滑って騎手が落馬した場合を指します。Cross Countryでは競馬場によっては急カーブが存在するコースも多く、特に良馬場の際にしばしば発生します。
7) Run Out (RO)
コース外に逸走してしまった場合を指します。障害競馬で使用されるコースは複雑なものが多く、騎手がコースを間違えることもあります。
8) Carried Out (CO)
空馬を含む他の馬に引っ掛けられてコース外に逸走してしまった場合を指します。障害競馬では頻繁に空馬が発生し、空馬が自由に走り回るためにしばしば事故が起きます。
9) Disquantified (DQ)
入線後に何らかの理由で失格となったケースです。主に禁止薬物の検出、走路の間違いなどがあります。
・Bypass (障害の迂回)
何らかの理由で障害飛越が危険と判断された場合は障害を迂回するケースがあります。これは例えば1周目で落馬が発生し、障害地点で馬や騎手の治療が行われている場合や、日照不足や西日の問題、著しい馬場の悪化、障害の損傷などが理由として挙げられます。