Pardubice Racecourse 5

 さて、レースは後半戦に入ります。第5レースは"Cena Východočeské televize V1"というレース。4歳以上、3900メートルのSteeplechaseの第4カテゴリー戦ですね。Chaseというとイギリス・アイルランドの大型の障害や、フランスの多様性に溢れた障害、イタリアの聳え立つ生垣障害が想像されますが、チェコのSteeplechaseで使用するのは主に上の写真のような障害。Proutkyよりもさすがに大型ですが、他国ほど大型のものではありません。むしろオーストラリアのSteeplechaseに似ているようにも思います。これに加えて、他にも何種類かの障害が使用されており、Parudibce競馬場ではVelká Pardubickáの第3障害で使用されるMalý vodní příkop(small water jump)も使います。これは要するにほぼ水壕だけの障害。

 馬が出てきます。写真はMeisho Kongoh。まるで日本馬のような名前ですが、アイルランド産馬。日本になにか縁があるのかは謎。けっこう人気になっていたようで、Arlingtonに次ぐ2番人気となっていました。

 1周目はMalý vodní příkop(small water jump)を飛越します。ちょうど最終コーナーにおいて、Steeplechase Course(要するに外周のコース)の内側に存在します。最終コーナーの辺りにはやや大きめの塚のようなものがあり、そこで観戦することもできます。Malý vodní příkop(small water jump)はやはり見栄えがするので、公式カメラマンがけっこう陣取っていました。Velká Pardubickáの当日には、この辺りに椅子を持ってきて観戦している人がたくさんいました。

 で、2周目は普通にSteeplechaseで使用される障害を越えることになります。写真は失敗作。前述の塚よりも最終障害はスタンド側にあるので、1周目と2周目の間にちょっと移動しなければいけません。レースは人気のArlingtonが勝利しました。平地ではそれなりに頑張ってきた馬のようですが、障害の経験は浅いようです。Meisho Kongohは2着。

 さて、続いて第6レース。"Cena podporovaná závodištěm Wrocław"。4歳以上、3600メートルの距離を走るSteeplechaseの第3カテゴリー戦ですね。Wrocławとはポーランドの都市で、ポーランド障害競馬の中心的な競馬場であるWrocław競馬場が存在します。レースはもともと5頭立てだったのですが、放馬があったりとで結果的にYaraとCharismaticの2頭立てとなってしまいました。ニュージーランドやオーストラリアにように、誘導馬が捕まえに行くとかいうことはないとのことですが、この複雑怪奇なParudibce競馬場、馬が逃げ回ったせいでかなりのディレイが発生していました。写真はYara。障害は2017年から善戦を続けていますが、飛越にポカがあったりとどうにも信頼しにくいところもあり。今回は障害初勝利を目指します。

 もう1頭のCharismatic。ポップロック産駒です。前走Cross Countryの第4カテゴリー戦で障害初勝利を飾っており、どちらかというとこちらの方が支持されていたようで。

 レースはYaraが引っ張ります。Malý vodní příkop(small water jump)。どうにも上手いこと障害を映り込ませるのが難しい。障害飛越ってアングルが上からだと、どうにも障害が小さく見えて見栄えがしないんですよね。中山競馬場は障害の見せ方を工夫した方がいいと思います。Charismaticはこれにぴったりとついて行きます。

 が、2周目の後半からCharismaticは徐々に手ごたえが悪くなると、Yaraは最終障害を越えて完全に諦めたCharismaticに対し、大きな差をつけて圧勝。未勝利馬とはいえ、なんだかんだでSteeplechaseは上のクラスにも挑戦していた馬で、能力はあるのかもしれません。写真はCharismaticの方。Yaraの写真は失敗しました。懺悔。


Pardubice Racecourse 4                                  Pardubice Racecourse 6