Velká Pardubická 2

 レースが始まります。スタート地点はスタンドからはほとんど見えないので、スタンド前の大型モニターを眺めることになります。どうやら1回目はFalse Startとなり、スタートはやり直し。スタートはスタンドからは右手の奥方向、第3障害のMalý vodní příkop (Small Water Jump)は前述の通り最終コーナーの内側にあるので、第3障害を越えVelký Taxisův příkop (Taxis Ditch)に向かう各馬がスタンドの前を通り過ぎていくのを眺めることになります。

 スタンド前を通り過ぎていく各馬。後ろにモニターが映っていますが、Velký Taxisův příkop (Taxis Ditch)に向かう光景としてはお馴染みのものですね。スタンドからは大歓声が上がります。ご覧の通り、Velký Taxisův příkopに向かってはスタンドとは逆方向にカーブしていくことになるため、スタンドからVelký Taxisův příkopを飛越しているところは殆ど見えません。

 Velký Taxisův příkop(Taxis Dith)に向かう各馬。Velký Taxisův příkopは返し馬で飛越した生垣障害の並びの奥に直角に存在しており、写真の手前は例の生垣障害(と並んで存在する生垣障害)になります。ややこしい説明ですね。要するにスタンドからVelký Taxisův příkopが飛越しているところは、手前の生垣障害やその他諸々の障害物のせいでどうにも良く見えません。

 で、諦めてモニターを見ます。何頭か落馬したようですが、その中から"Tzigane Du Berlais"という単語が聞き取れます。どうやら昨年の勝ち馬、地味に一番人気になっていた馬が落馬した模様。

 そのままの勢いでIrská lavice(Irish Bank)へと向かいます。この障害、Velká Pardubickáとそれ以外のレースでは越えていくスピードがまるで違います。このスピードで対処できないとVelká Pardubickáではあっさりポジションをロストしてしまいます。特に前の方につけていたい馬にとっては非常に重要となる障害。

 なんか一頭ものすごい勢いで突っ込んでいく馬がいるなぁと思ったらBridgeurでした。中団にいたBridgeurはここでようやく先頭を奪う格好に。それにしても、現地で見ていると誰がまだ残っているのかよくわかりません。このあと各馬はダート部分を横切り、森の端っこにあるPopkovický skok(Popkovice turn - railed hedge with ditch)(障害の直後に直角のカーブがある例の障害)へと向かい、そのまま森の向こうを通ってこっちに帰ってくることになります。

 森の向こう側にある2連続障害を越え、ダートコースを突っ切り、第10障害であるAnglický skok(English Jump - ditch and hedge)を越えて帰ってきた各馬。Bridgeurが先頭にいてだいぶテンションが上がります。深いブリンカーが特徴的なこの馬にとって、Velká Pardubickáで逃げるのはこれが3年連続で3回目。最初に見たときはまさか3年後まで未勝利とは思いませんでしたが、初勝利を目指して果敢にレースを引っ張ります。

 で、ぐるーりとカーブして次の障害に。

 ぐるーりとカーブした先にある第11障害(Prodloužený taxisův příkop / railed hedge and ditch)はVelký Taxisův příkopの並びにあります。写真はその障害を越えた直後。この障害、Velký Taxisův příkopほどの空壕ではありませんが、とはいえ深さ30cm、幅200cmの空壕がある難易度の高い障害です。Velký Taxisův příkopで落馬したらしき馬が捕まっていましたが、誰かはいまいちわかりません。

 コース的には一旦このままSteeplechase Courseに出たあと、森の手前でカーブし、Timber Railを越えてスタンド前にやってきます。Timber Railは頑張れば撮れるのですが、SDカードの転送速度の問題か連写性能に限界があるので、写真はDropのみ。買い替えようかしら。

 スタンド前のDropを越えていきます。障害自体は特別難易度が高いものではないのですが、前述のTiara Manをはじめ、意外とここでスピードを殺される馬もいる障害。スタンドからはひときわ大きな歓声が上がります。

 レースを引っ張るBridgeur。頑張れBridgeur。初勝利に向けて。

 Dropを越えたあたりからレースはさらにヒートアップします。直後に待ち受けているKamenná zeď(Stone Wall)、Hadí příkop(snake ditch, water jump - jump down)はともかくとして、そのあとに存在しているVelký vodní příkop(Big Water Jump)は幅400cmの水壕障害であり(文字通り水壕「だけ」の障害です)、飛越の幅が求められる障害となっています。従って、この辺りから再度ペースを上げていく必要があります。Velký vodní příkop(Big Water Jump)を越えた各馬は二連続障害やSuchý příkop(Dry Ditch)を越えたあとはSteeplechase Courseに出て、ぐるりとSteeplechase Courseを逆走する格好でスタンドの左手方向に戻ってきます。

 スタンドの左手方向にあるŽivý plot(railed hedge)を越えてきた各馬。これが第25障害。レースはここからいくつか難易度の高い生垣障害を越えたのち、最後のSteeplechase Courseへと移ります。

 ちょうどわたしの席からはゴール板の向こうにある第26障害、Velký anglický skok(big English jump - ditch and hedge)に向かいます。Bridgeurまだ先頭じゃないか! 好位のTalentが怖い。2番手にいるのはSztormかStrettonかわからん、とかそんなことを考えていた記憶(Strettonが正解です)。手前では落馬したらしき馬が捕まっていますね。

 Velký anglický skok(big English jump - ditch and hedge)を越えていきます。この障害は手前60cmのところに柵が設置されているためOpen Ditch的な側面を持つ生垣障害(高さ150cm、幅160cm)ですが、その最大の特徴は、踏み切り地点に比べて着地地点が40cmほど高くなっていること。やや着地には技術が必要な障害となっています。それにしても写り込んでくる謎の柱。

 そのまま各馬は大外にあるSteeplechase Courseに向かって、Suchý příkop、Havlův skokを越えていきます。Suchý příkopは高さ50cmの柵の後ろに幅240cmの空壕を設置した障害、Havlův skokは高さ140cm、幅190cmの生垣の前後に空壕を設置したものですね。Havlův skokにて、逃げていたBridgeurは残念ながら大きなミスをして後退。代わってTheophilos、Strettonが出てきます(現地ではこの辺りでどうやらStrettonだと認識した模様)。

 Strettonを先頭に直線にやってきます。スタンドからは拍手と大歓声。外から伸びるStrettonを内側からTheophilosともう一頭、黄色と青の勝負服の馬が捕らえに掛かります。え、TheophilosはいいとしてMahony?本当にMahony? とか考えていた記憶(2頭ともこの勝負服の馬。Mahonyも人気薄ですが、圧倒的シンガリ人気のChicname De Cotteが正解です)。その後ろにAnge Guardianが見えますが、どうにも脚色が怪しくなってきます。

 3頭の激しいたたき合いの中、Mahony(だとわりと思っていたChicname De Cotte)と、外にいたせいで映っていないStrettonを抑えてTheophilosが前に出てきます。それにしても、Theophilosに騎乗しているJosef Bartoš騎手の絶叫が聞こえてきそうな。

 レースはそのままTheophilosがStrettonを抑えて、1馬身ほど前に出たところがゴール。3着には内側から伸びてきたMahonyだと思っていたChicname De Cotteが入りました。ちなみにMahonyは早々にVelký Taxisův příkop(Taxis Ditch)で落馬していた模様。さりげなく写り込んでいたAnge Guardianは最後遅れて5着に入りました。4着にはSteeplechase Courseの辺りで一旦遅れていたMazhilisが猛然と追いこんでくるのですが、これには気が付かなかった模様。


Velká Pardubická 1                                                    Velká Pardubická 3