Great Northern Steeplechase 2
レースが始まります。第一障害を越えてWise Men Sayが出てくると、そのまま先頭に。Ellerslie Hillを昇り、スタンド前にやってくる辺りではやや後続を突き放す逃げを打ちます。
1周目のWater Jumpを越え、スタンド前の生垣障害を越える辺りから、Kokanee Goldが逃げるWise Men Sayに絡んでいきます。
次々と生垣障害を越えていく各馬。ここまで全く落馬はなく、見事な飛越を見せます。後方のMax、Old Countessまで無事にクリア。
2周目に入る辺りでWise Men Sayが再度先頭を奪い返し、そのまま単騎逃げの格好になります。Lacustre、Perry Masonは好位から。Mr Enthusiastic、Maxなどはいつも通り中段～後方に構えます。2度目のEllerslie Hillを越えて、やや長くなった隊列を引っ張るのはWise Men Say。今度はWater Jumpではなく、Stand Doubleに挑みます。
Stand Doubleを越えていくWise Men Say。オートフォーカス氏が手前の物体にピントを合わせやがります。がんばろうオートフォーカス氏。
後続も順調にStand Doubleを越えていきます。
この辺りからやや脱落し始めたKokanee Goldを残して、Wise Men Sayが後続に大きなリードをつけて馬群を引っ張ります。
さていよいよ3周目。Wise Men Sayの逃げ足は衰えず、後続に大きなリードを保っているのを見て場内がざわつき始めます。じわじわと後続はWise Men Sayへと詰め寄りますが、まだリードは8馬身ほど残ります。Ellerslie Hillを登り切り、実況が"Horse, rider and commentator take deep a breath"とか言っている辺りで笑いが起きる場内。めっちゃ登るの疲れますものあのEllerslie Hill。そのままWise Men Sayが先頭でEllerslie Hillを下り切ると、追いかけてきたのはCrash Bandicootのただ一頭。最終障害を越えてCrash Bandicootが逃げるWise Men Sayに食らいつきますが、Wise Men Sayがもう一伸びしてCrash Bandicootを振り切りにかかります。
Shaun Fannin騎手の必死のアクションに応えてゴールを目指すWise Men Say。Crash Bandicootは根負けしたのか頭を上げて脱落。そしていつの間にか影のように忍び寄ってきたのは、なんと単勝95.1倍の圧倒的最低人気、Kings Kite。一歩一歩、パワー溢れる走りでゴールへと歩を進めるWise Men Sayとは対照的に、地を這うような走りでWise Men Sayを追いかけます。
しかし、そんなKings KiteをWise Men Sayが1馬身ほど凌ぎ切ったのがゴールでした。
Shaun Fannin騎手の渾身の騎乗でチャンピオンの復活が成し遂げられた瞬間。Shaun Fannin騎手の派手なガッツポーズも飛び出します。
くたくたになった各馬が戻ってきます。落馬はなく、10頭中8頭が完走、早々に脱落したKokanee GoldとPerry Masonが途中棄権という結果でした。人気のLacustreは4着まで。
勝利したWise Men SayとShaun Fannin騎手。
Emily FarrとMr Enthusiasticは5着でした。やはり悔しそうな表情ですね。
誰もを驚かせるようなレースをしたKings KiteとBrandley Thomas-Rantall騎手。
朝に歩いた経路を通ってWise Men SayとShaun Fannin騎手が戻ってきます。朝に歩いたときはくたくたになっていたので早いとこどこかで休みたかったのですが、こう改めて見ると感慨深いものがあります。
表彰式が始まります。けっこう立派な表彰式で、関係者のインタビューもあり。Great Northern Steeplechaseは1885年に始まりましたが、Wise Men SayはこれでGolden Flareに次ぐ16頭目のGrand National Steeplechaseを2勝した馬となりました。この日の勝ち時計は8分48秒79。歴代の時計と比べてもかなり遅いものですが、同馬が2017年に勝利したときは9分31秒50。要するにこれだけ馬場状態には差があったということなのでしょう。もっとも、馬場表示は同じHeavy11ですが。