Great Northern Hurdle


 さすがに小腹が空いてきたので、Ascot Standの中の売店でサンドイッチとビールをゲット。Mac'sはニュージーランドのビールブランドですね。あんまり重たいものは飲みたくなかったので、アップルサイダーをチョイス。サンドイッチはAscot Roomにあったものと同じでしたが、とにかく具沢山で美味しいのでリピートします。Ascot Standの端っこにはこのようなテーブル席もあるのですが、誰も使っていなかったのでぼんやりとここでお昼ご飯を食べます。お酒を売るためのカウンターも併設されておりましたが、特に店員がいるわけでもなく。大きな開催のときは特別席みたいに使われるのかもしれません。

 こちらがAscot Standの普通席。馬主や関係者専用の席もあるので、気を付けて間違って紛れ込まないようにします。レース中に立ちあがらないでください的な注意書きがあります。レースの合間なのでガラガラですが、さすがにレースの時間になるとわらわらと人がどこからともなく現れてきます。

 さて第6レース。ここまでスタンド以外をうろうろしていましたが、どうやらAscot Standの真ん中あたりの最前列が観戦するには最適のようですので、ここからはAscot Standに陣取ることにします。第6レースは今日のメインレースの1つ、Great Northern Hurdle。ニュージーランドのHurdle競走としては、Grand National Hurdleと並んで最長距離、最高賞金額を誇るレースです。昨年はEllerslie競馬場が改修工事のためTe Aroha競馬場で行われたのですが、今年はEllerslie競馬場に戻ってきました。Grand National HurdleはPrestige Jumping Raceという、いわば重賞のようなものに指定されている競走でもあります。

 1番人気のLaekeeper。基本ニュージーランド障害競走の馬番号は斤量順で、今日はトップハンデの68.5kgを背負います。Prestige Jumping Raceの勝ち鞍はありませんが、PJRでは惜しいレースを続けており、Hurdleでは計6勝を上げている強豪です。

 対抗角のBad Boy Brown。前走のGrand National HurdleではAlfie Deeの2着に入った馬ですね。

 こちらがそのAlfie DeeとBuddy Lammas騎手。例によって髭が渋い。Grand National Hurdleでは未勝利戦を勝ったばかりの人気薄でしたが、あっと言わせる大激走を見せました。とはいえここでもさほど信頼はされていないらしく、下馬評では5番人気の立ち位置。

 3番人気にいたのはこちらのNo TipとAaron Kuru騎手。今年のWellington Hurdle (PJR)でBad Boy Brown、Laekeeperを下した実績があります。とはいえその後のレースでLaekeeperに完敗しており、やや人気を落としていました。

 4番人気がTrisha LeeとCharlie Studd騎手。Buddy Lammas騎手に負けず劣らず、立派な髭を蓄えています。Trisha Leeは未勝利を含む2連勝で挑んできた牝馬。勢いでどこまでといったところでしょうか。

 淡々とレースが始まります。通常ニュージーランドHurdle競走は3000メートル台で行われることが多いのですが、このレースは4190メートル。スタンド前を3回走ります。距離を気にしてか、全体的にゆったりとしたペースでレースは始まります。

 どうにも我慢できなくなってしまった感のあるAlfie Deeが引っ張ります。

 番手からTrisha Lee。

 その後ろからBad Boy BrownとIsaac Lupton騎手。後ろにいるのはMagic Cannon。未勝利を勝ったばかりの馬で、斤量は基本の65kg。このレースの斤量は基本的に65kgで、実績に応じてここから加算されていきます。Magic Canon自身はさすがに低評価でしたが。

 No TipとAaron Kuru騎手。後ろにはArtie GuruとToni Moki騎手。こちらも未勝利を勝ったくらいの馬ですね。さすがにシンガリ人気でしたが。

 Alfie Deeは気分よく引っ張りますが、2周目に入ってTrisha Leeをはじめ後続がじわじわと接近。さらに残り700メートル地点にある障害でBad Boy Brownが外から動くと、Alfie Deeは抵抗しきれずに脱落します。代わってBad Boy Brownが先頭に立ち、最終コーナーを回ります。Trisha Leeなども脱落。さらに後方にいたLaekeeperがロングスパートをかけて馬群を縫って上がっていくと、逃げるBad Boy Brownに迫ります。Laekeeperは残り2障害地点ではBad Boy Brownを交わして一旦は前に出ます。

 最終障害を越える2頭。ここまではLaekeeperが先頭でしたが、Laekeeperがやや慎重に飛んだこともあり、最終障害の飛越でBad Boy Brownが再度前に出ます。

 再度Bad Boy Brownを追い詰めるLaekeeperを凌いで、ぎりぎり先頭でゴールに飛び込んだのはBad Boy Brownでした。はるか後方に置かれてNo Tipが3着。Magic Cannon、Delegateと続きました。9頭中完走したのは5頭。Alfie Dee、Trisha Leeは途中棄権に終わりました。

 引き上げてくるBad Boy BrownとIsaac Lupton騎手。ちなみにこの日の勝ち時計は5分27秒73。最後の600メートルは46秒77掛かっています。上がり3ハロンは凱旋門賞で大失速したフィエールマンと同程度のタイム。歴代で最も勝ち時計が遅かった2017年のZedeedudadeekoは6分12秒45という、もはや別の世界線の馬場でしたが、これでも歴代4番目に遅い勝ち時計での決着です。仮にこの日、日本の一線級の障害馬がこのレースに出走していたら、果たしてどのようなレースをするのでしょうか。


Ellerslie Racecourse 2                        Great Northern Steeplechase 1