Course Tour

 さて、この日に競馬場に到着したのは朝の9時。日本であれば7時とかいう人間が活動するには6時間ほど早すぎる時間なのですが、わざわざこんな早朝から競馬場にのこのこやってきたのは理由があります。事前にAuckland Racing Clubのtwitterを見ていたら、Great Northern Steeplechaseのコースウォークがあるとの情報をゲット。参加費は無料、誰でも参加できるとなれば申し込むしかありません。なんでもMichelle StrawbridgeとWayne Hillisという、ニュージーランドの元凄い障害騎手が来て解説してくれるとか。最後にAscot Standに入るからチケット買っとけよと言われたので、入場料タダのところ1000円ちょっと出してAscot Standのチケットを購入。とりあえず朝9時にAscot Roomなる場所に来いということで、朝から一人でのこのこやってきました。

 Ascot Roomの中はこんな感じ。ご親切に軽食とお茶が用意してあります。概ねグループで来ているので、ぼっちは一人端っこの方でお茶を飲むことにします。中央のモニターは競馬リプレイや関連CMを映しており、ニュージーランドで種牡馬入りしたステファノスの映像が映ってちょっとテンションが上がります。バーカウンターも設置されているので、おそらくレースが始まればここで酒を飲んだりできるのだろうなぁと。そうこうしているうちに係の人が来て、なにやら説明。ぞろぞろと出発の時間になります。

 コースの方角に向かう一向。全員長靴やそれに準じるような靴を履いています。事前のメールに足元悪いから長靴とか履いておいてね、みたいな文章があったのですが、こんな引きこもりが雨の日に外に出るわけもなく、当然長靴なんて持っていないので普段履きで来てしまいました。他の人は全員準備万端。早くも先行きが暗くなります。

 地下道を通って内馬場へ。普段は開放していません。中は真っ暗。

 そんなわけでスタンド前の障害から見ていきます。Ellerslie競馬場のスタンド前は、通常のコースの内側がSteeplechaseで使用するコースとなっており、走路としては2つ設置されています。写真はStand Double。要するに2連続障害ですね。Pardubice競馬場に存在する2連続障害(Velké zahrádkyなど)とは異なり、障害の間隔は広く開いています。似たような連続障害はイギリスSandown競馬場などにも存在しており、どちらかというとこちらの方が一般的でしょう。

 障害に集まり、元騎手の解説に聞き入る一行。近くまで行かないといまいち聞こえないので、途中から聞くのを諦めて周囲の観察に徹します。

 さて、当日の馬場状態はHeavy11。ニュージーランドは馬場状態を11段階で表示しており、Heavy11はその中で最も重い馬場状態です。もっとも、この時期は大半がHeavy11で行われる上に、Heavy11といっても色々あるので、これより重い馬場状態表示を作って欲しいのですが。いずれにせよ、芝を踏み込むとぐじゅっと音を立てて水が染み出してきます。ところどころ、比較的低地になっている場所には水たまりがあります。馬場は均一ではなく、芝が密集して生えているところは比較的水が染み出してこないので、頑張ってそういうところを選んで歩きます。すでにここまで来て防水靴で来なかったことを後悔。

 スタンド前にある水壕障害。なかなか大きな水壕が見えますね。

 スタンド前の障害を一通り見た後は、スタート地点のある1コーナー方向へと移動します。1コーナー方向からスタンド方向を眺めた写真。実に見晴らしがよくて、いい天気ですね。足元以外は素晴らしい景色が広がります。手前の生垣障害の奥に、障害が二つ並んで見えるのですが、このようにスタンド前のSteeplechaseコースには走路が2つ設置されています。Great Northern Steeplechaseではそれぞれの走路を1回ずつ走ります。

 さて、Ellerslie競馬場のSteeplechaseといえば、最も有名なのは向こう正面に存在するEllerslie Hill。Great Northern SteeplechaseではこのEllerslie Hillを3回昇り降りするのですが、もちろんこのコースウォークでもEllerslie Hillを昇らないはずがありません。すでにこの悪路を歩いてなかなかに体力と靴の寿命が削られてきているのですが、せっかくここまで来たのだから頑張ってみましょう。

 そうそう、これですよこれ。これがEllerslie Hill。

 Ellerslie Hillを登ってきたところ。見ての通り、登り方向はわりと急坂で、しかも結構な高さがあります。歩きやすいところを選んで歩いていたら、端っこを歩けと係員から怒られました。この辺りはEllerslie競馬場の中でも特に馬場が悪くなっているらしく。

 Ellerslie Hillを昇ったところ。頂上部にも細かい起伏があり、さらに障害も設置されています。

 下を見下ろすとなかなかいい景色。

 Ellerslie Hillの下りは見ての通りスパイラルカーブになっています。下りながらカーブしていくので、ここでの加速とポジションはレースにおいて非常にになります。この下り坂のカーブの出口には障害が設置されていて、この辺りの駆け引きで勝敗が決まるのだ、みたいなことを偉い人が喋っていました。

 そのままスタンドに戻り、本馬場入場に使用するゲートのところでコースウォークはおしまい。これで解散です。事前に買っといてねと言われたAscot Standのチケットですが、結局特に確認もされず、いるのかいらないのかよくわかりませんでした。とはいえこれだけ馬場を歩くことが出来たので、ひとまずは良しとしましょう。朝ごはんまで食べることができて至れり尽くせりですし。なにせ、ロングフライトの後はお腹が空かないせいで、前日の夜は近くのスーパーで買った3割引きの謎菓子で済ませたので...。