Grand National Steeplechase 1


 さて、次はいよいよ今日のメインレース、Grand National Steeplechase。今回の旅行、このレースのメンバーが非常に豪華であるからこそ急遽オーストラリア行きを決めたといっても過言ではありません。

 写真はVIC州SteeplechaseのチャンピオンホースであるWells。Grand National Steeplechaseは2014、2016、2017と3回制覇している、オーストラリアの歴史的な名障害馬です。今年はMosstrooper Steeplechase、Crisp Steeplechaseと連勝を飾り、その実力に全く衰えはありません。この馬の勝ったレースでは、概ね異様なまでのしぶとさを発揮して接戦をモノにしていることが多く、前走のCrisp Steeplechaseでも凄い勢いで伸びてきたSlowpoke Rodriguezを驚異的な二枚腰で退けています。しかし同馬は今年で12歳であるため、今回が引退レース。4度目のGrand National Steeplechase勝利を狙った昨年は残念ながら落馬に終わっており、最後のチャンスにおいて歴史的な快挙に挑みます。斤量は堂々のトップハンデ、73.5kg。

 対するライバルも素晴らしいメンバーが揃いました。筆頭格はTallyho Twinkletoe。2015年のニュージーランドGrand National Hurdle (Prestige Jumping Race:PJR)を圧倒的なパフォーマンスで制した馬。しかしその後故障で3年近いブランクがあり、2018年にHurdleを1走した程度と、あまり順調にレースに使えていませんでした。2019年にはニュージーランドのSteeplechaseの未勝利戦を快勝すると、その後オーストラリアに移籍、その移籍初戦のVIC州Grand National Hurdleを圧勝していました。長く故障で苦しんだ馬ながら、レースに出走した際のパフォーマンスは全て圧巻の一言。管理するPatrick Payne調教師曰く、どうやらHurdleよりもSteeplechaseの方が良いとのことで、初のオーストラリアSteeplechase参戦ながらも、そのレース振りが期待されます。

 他にもオーストラリアSteeplechaseの強豪が集まります。写真は前走のCrisp SteeplechaseでWellsの2着に入ったSlowpoke Rodriguez。

 昨年のGrand National Steeplechaseでは、Sea Kingの驚異的なゴール前の一伸びに屈したSpying On You。今年こそはと期待が高まります。ヤマニンバイタル産駒といえば、日本競馬ファンにも馴染みがあるかもしれません。けっこう多いんですよ。

 今年からSteeplechaseに転向したBit of a Lad。春のWarnambool開催ではBrierly Steeplechaseを勝利。その後のGrand Annual Steeplechase、Thackeray Steeplechase、Crisp Steeplechaseと、オーストラリアSteeplechaseの主要競走において勝ち星を上げることは叶わずとも、コンスタントに善戦を続けています。6歳と障害馬としてはまだ若いですが、飛躍の年となった2019年の締めくくりを狙います。

 そのThackeray Steeplechaseを勝ったのがこちらのPolice Camp。この馬も6歳と若い馬ですね。Wellsの勝利したMosstrooper Steeplechaseでは案外でしたが、巻き返しを狙います。

 さらに、今年はニュージーランドからも参戦馬を集めました。写真はそのShamal。昨年のニュージーランドGrand National Steeplechase (PJR)を制し、ニュージーランド障害競馬において最長距離・最高賞金額を誇るレースである、Great Northern Steeplechase (PJR)でも好走した、現時点でのニュージーランドSteeplechaseを代表する一頭です。前走のニュージーランドGrand National Steeplechaseでは異次元の不良馬場とIt's a Wonderの大逃げに泣きましたが、今回はさて。

 (微妙にフライングして写真を使ってしましたが)ぼちぼち騎手が騎乗し、返し馬が始まります。実は今回のGrand National Steeplechase、現地で活躍する日本人騎手も参戦していました。写真がその川上騎手とBonnard。馬は前走のGreat Western Steeplechaseでは人気薄ながら2着に入り、高配当を演出した実績があります。川上騎手はメルボルンを拠点にビクトリア州で活躍する日本人障害騎手。日本の障害競馬ファンにとっては、上記のオセアニア障害馬たちよりも川上騎手の方が知名度はあるかもしれません。この大一番を現地観戦できるとはなんたる僥倖。

 こちらはLucky TonightとPaul Hamblin騎手。Paul Hamblin騎手はなんと53歳のベテラン。Lucky Tonightは大レース勝ちこそないものの、11歳となる今年までコンスタントにニュージーランド・オーストラリアで活躍を続ける馬です。レース前にもなり、各騎手の表情も引き締まります。

 

 さて、いよいよレーススタートです。


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