Horse Racing at Ballarat 3


 第4レースのHurdle競走が終了し、残りはSteeplechaseが2鞍。ここで障害の入れ替えが行われます。Steeplechaseがそもそも置き障害でない国ではこのような作業は行われないのですが(イギリス・アイルランドにおいてNational Hunt FlatではHurdleコースを使用するため、事前にHurdle障害を撤去します)、これもオーストラリアならではといったところでしょうか。先ほどのコース脇に置いてあったSteeplechase用の障害が、写真のように手作業で並べられていきます。てっきり作業用の車両でも使用するのかと思いきや。

 第5レースはCheap As Chips BM120 Steeplechase。Benchmark Raceという類のやつです。Benchmarkとは要するにレーティング的なもの。各馬が持つBenchmarkを基準にハンデが付きます。詳しくはググってください。写真は葦毛が印象的なKuridala。

 ビクトリア州で唯一生垣障害を使用するCastertonで勝利を上げているSpeedy Jaxもパドックに出てきました。元々はニュージーランドで走っていた馬ですね。今回はトップハンデの70.5kgを背負います。オーストラリア・ニュージーランド間では馬の交流が盛んで、かなりの馬の行き来があるようです。

 他にもニュージーランドからやってきた馬が出走していました。写真はIt's a Clapathunda。ニュージーランドではClapathundaという名前で、ややこしいことこの上ありません。Aaron Kuruはニュージーランドの障害騎手で、昨年Des De Jeuに騎乗した際の障害転倒時の神業のようなリカバリで世界的にも有名になった人です。ニュージーランド障害競馬であそこまで話題になること、ニュージーランド障害競馬の一大イベントであるGrand National Hurdle / SteeplechaseやGreat Northern Hurdle / Steeplechaseでもありません。オセアニアにもすごく上手い騎手がいるんだぜ、素晴らしい障害競馬があるんだぜということ、もっと知られて欲しいですね。

 そんなわけでレーススタート。例によってオレンジに黒縞の勝負服のMannertoneが出てきます。11歳の大ベテランで、2014年から障害競走を走っている馬です。やはりHurdleよりも大型の障害を飛越するということで、レースに迫力があります。

 鞭を口に咥えてアブミを治すNathan Newton騎手。

 2周目。最終障害を飛越します。右がMapping、左がAscot Red。

 レースはMappingが一旦は抜け出すものの、人気を背負ったAscot RedがMappingを最終障害で交わして勝利しました。Ascot Red自身はあまりSteeplechaseの実戦は多くない馬ですが、いい勝ち方でした。鞍上はClayton Douglas騎手という24歳の若手。

 レースが終わった馬はぞろぞろとパドックに戻ってきます。頑張ってそれまでにパドックに移動すればこんな写真を撮ることが出来ます。関係者の悲喜こもごもの表情を見ることが出来て、なかなかに味わい深いスポット。ただしパドック周囲はそこそこに人は多いので、少し人混みから離れた遠めから狙ってみることにしました。


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