Ballarat Racecourse 2


 さて、散策もして日向ぼっこもしたところで、Racecourse Officeに向かいます。Racing Victoriaでは競馬場内での写真撮影について厳しいルールがあるそうで、わたし一眼レフ(Professional Camera)を使いたいのだけれど、なにか必要な手続きとかあれば教えてくれと事前に連絡したところ、当日の第一レース前にRacecourse Officeに来るよう言われていました。てっきり呼び出されて偉い人たちに囲まれて英語で怒られて悲しい想いをするのかとでも思ったのですが、出てきたのはインテリぽい眼鏡のイケメン。やあやあよくはるばる日本から来たねと握手した上で、懇切丁寧に競馬場でのルールについて笑顔で説明してくれました。

 

 結論だけ書けば、競馬場内での写真撮影は可能とのことです。一眼レフの使用も可能とのこと。ただし、撮影した写真については必ず個人的な使用に留めること、他の観客や関係者・馬に迷惑をかけないよう細心の注意を払うこと、については強く念を押されました。要するに、商用利用であるとか、日本の競馬場でよくいるような、最前列に陣取って他の観客の迷惑になっている類は全てNGですね。

 1枚目は流星の印象的なEuroman。2枚目が第1レース(Gotta Take Care Hurdle)を勝利したFirefreeです。前走Grand National HurdleでTallyho Twinkletoeの2着に入った上り馬。レース回顧はこちらで。

 そんなわけで第1レースも近づき、パドックに馬が出てきました。レースの10分前になったらぼちぼち馬が出てくるくらいで、日本のように延々と回り続けていることはありません。返し馬もあっという間です。パドックに出てきてちょっと回って、すぐに騎手が乗って、コースに出て軽く身体をほぐして、そのままスタートです。観客もさすがにこの頃になると外に集まってきます。

 

 さていよいよ第1レース、と思ったところでアクシデントが発生。撮影スポットを探してうろうろしていると、二人組の警察官に声をかけられました。なんでもここでは写真撮影はNGだとかで、すぐにカメラをしまうよう言われます。ちょうど先ほど競馬場の人に教えてもらったことを説明するのですが、全くもって聞く耳を持ちません。仕方なく第1レースの撮影を諦めてその場を離れ、もう一度Racecourse Officeに行き、例のインテリ眼鏡イケメンに事情を説明。するとインテリ眼鏡はちょっと関係者で協議するから待てとのこと。第1レースをインテリ眼鏡イケメンとのんびり観戦したのち(写真撮らないのかい? とか言ってくれましたが、警察に怒られたしなぁとか答えて止めておきました)、イケメンの上司らしきお姉さんがやってきて何やら話し込む二人。するとなんとお姉さん、「このカードを持っている人は写真撮影していいことになってるから」とその場で手書きで記入した名刺をくれたのです。警察に怒られたらこれを見せてねとか。最初にRacecourse Officeに呼び出されたときは怒られる覚悟で競馬場に来ましたし、そのあとも警察に注意されたのなら仕方ないねーくらい言われるかなと思っていたのですが、まさかここまでよくしてもらえるとは。「なにか困ったことがあればいつでもまた来てね」などなど。ここまでの道中で色々あって、だいぶ心が折れかけていたのですが、なんだかここに来て救われたような気持ちになりました。


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