Ballarat Racecourse 1


 ようやく到着したBallarat競馬場。周囲に商業施設といった人が集まりそうなものは何にもありません。近くの小高い丘には調教コースらしき設備や牧場があり、とても静かな場所です。入り口には何か華やかなゲートがあるわけでもなく、係員用の簡素な小屋があるだけで、入り口がここでいいのか不安になるレベル。Grand National Steeplechaseの出走馬のパネルが地面に並べてあるのが、唯一こののんびりとした競馬場を賑やかす何かといったところでしょうか。

 

 さて、実は事前に競馬場内で一眼レフを使用してよいか問い合わせをしていた関係でRacecourse Officeにレース前に来るよう呼ばれていたのですが、Racecourse Officeを探して場内を歩いてもなぜか写真の通り全く人がいません。事前に日本でRacing.comで競走時間を確認しており、すでに第一レースが始まっていておかしくないような時間なのですが。

 Racecourse officeについたらその謎はあっさり解けました。レース発走時間を1時間勘違いしていました。オーストラリアのメルボルンは日本とは1時間の時差があるのですが、Racing.comは日本時間で発走時刻を表示していたようです。要するに約束の時間より1時間早くついてしまったということで。5ドルのレーシングプログラムをなぜかタダで貰い、場内を散歩してお昼ご飯でも食べてきたら? との競馬場の人の言葉に見送られ、ぼんやり競馬場内を散策することに。

 ここがパドック。メインスタンド(左側)の脇で、ちょうどコースに接するように置かれています。日本ほど広いパドックではなく、メインレースで14頭ほどの馬が出てきたら満員になるくらいの広さでした。写真右手には検量室があり、ぞろぞろと出てくる騎手を見ることが出来ます。

 奥がメインスタンド。中継を映しているテレビとテーブル席が設置されており、グループで来ていれば食事をしながらレースを楽しむことが出来るアレですね。グループで来ていれば、きっとそういう場所で酒を飲みながら観戦するのが楽しいのでしょう。チケットは高そうですが、いずれにせよこんなぼっちには縁のない場所。スタンドは手前にももう一つ設置されており、おそらくこちらは普通のチケット(Pre-paid general admissionで10ドル)でも出入りできる場所みたいです。イギリスAintree競馬場のように、高い場所に鎮座した金持ちに見下ろされることはありません。

 さて、お腹も減ったので場内の売店を探します。スタンドの脇にベランダがお洒落な小屋があったので中を覗いてみたのですが、どうやら以前は何かしらの飲食店だったものの、残念ながら現在は稼働していないらしく。

 こういうときはスタンドの裏に回ってみます。日本でもスタンドの裏には屋台がぞろぞろと並んで、なんとかフェアとかやっているじゃないですか。...と思いきや、やっぱり屋台らしきものはなく、特に人らしい人もおらず、ひたすら閑散しています。CheltenhamやAintreeではレース前からお客さんは散々飲み食いを始めているのですが、ここはとてものんびりとしています。唯一コーヒーとか売っていそうな売店がありましたが、準備中でしたし、空きっ腹にコーヒーはつらいのでパス。というかわたしはコーヒーは飲めません。スタバのなんとかフラペチーノくらい希釈されていないと無理なのです。コーヒーを飲めなくて一番つらいことは、ごちうさを素直に楽しく見ることが出来ないことです。

 とても小さな競馬場で、30分程もあれば一周してしまいました。スタンドの中に売店はありましたが、準備中か、何を売っているのかわからないか、もしくは缶の酒を売っているかで、どうにもめぼしいものはなし。歩き回っているうちに空腹を忘れてきたので、パラソルの下に置かれている椅子に座ってぼんやり日向ぼっこをして過ごします。たいていこういう場所はなんらかのグループが占拠しているのですが、ここではこんなぼっちでも独り占めできます。というか、屋外には本当に人がいません。歩き回っていたらスタンドの中にはちらほらと人が増えてきたのですが、屋外は実に長閑なものです。日本の競馬場のように、シートを敷くなと書かれているところにシートを堂々と敷いている日本語の読めない場所取りや、開門ダッシュ、新聞紙を敷いて宴会をやっているグループみたいなものも、もちろんいません。


From Tokyo to Ballarat                                      →Ballarat Racecourse 2